マンション長寿命化促進税制Q&A
- 正行 宮原
- 2024年9月29日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年12月22日

Q1 マンション長寿命化促進税制とは?
A1
マンションの大規模修繕を実施すると固定資産税が減税されます。
<背景>
修繕積立金の引き上げや大規模修繕の実施には、管理組合の合意形成が必要ですが、適切な長期修繕計画が作成されていないマンションでは、合意に至らないマンションが多いのが現状です。そのため固定資産税の減税措置(マンション長寿命化促進税制)を活用して合意形成を後押しする狙いがあり、この税制が設けられました。
Q2 固定資産税はいくら安くなるのか?
A2
東京23区の場合、工事完了年の翌年度分(改修工事が1月1日の場合はその年度分)の固定資産税に限り、当該住宅一戸あたり100㎡の床面積相当分までの固定資産税額の2分の1が減額になります。
※マンション長寿命化促進税制によって減額されるのは建物部分の固定資産税額です。 土地の固定資産税額は減額されません。
Q3 減税対象となるマンションは?
A3
以下の条件を満たす必要があります
(1)築20年以上かつ10戸以上の区分マンション
(2)長寿命化の大規模修繕工事を過去に1度以上実施していること
(3)管理計画認定マンション または 助言・指導に係る管理者等の管理組合に
係るマンション
(4)令和7年3月31日までに長寿命化に該当する大規模修繕工事を完了している
こと
※長寿命化に該当する大規模修繕工事とは、以下の工事で全工事必須です。
・屋根防水工事
・床防水工事(雨風が当たるバルコニーや廊下など)
・外壁塗装工事
Q4 管理計画認定マンション または 助言・指導に係る管理者等の管理組合に係るマンションとは具体的にどのようなマンションか?
Q5 管理計画の認定はいつまでに取得する必要があるか?工事完了後に取得しても良いか?
A5
工事完了後に取得しても問題ありませんが、固定資産税の賦課期日(1月1日)時点、かつ、税制適用の申告時点(工事完了後3か月以内)で、管理計画の認定を取得している必要があります。
Q6 「地方公共団体の助言又は指導を受けて適切に長期修繕計画の見直し等をしたこと」という見直しとは具体的にどのような内容か?
A6
・長期修繕計画の計画期間が30年以上で、かつ、残存期間内に長寿命化工事の工事項目及びこれらに併せて行う次の(イ)から(ハ)までに掲げる全ての工事項目が2回以上含まれるように設定されていること。
(イ)仮設工事
(ロ)調査・診断、設計、工事監理等費用
(ハ)長期修繕計画作成費用
・長期修繕計画において将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと。
・長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の平均額が、長寿命化工事を行うために必要な資金を確保するに当たって著しく低額でないこと。
・長期修繕計画の計画期間の最終年度において、借入金の残高のない長期修繕計画となっていること。
Q7 マンション長寿命化促進税制の申告先はどこになるのか?
A7
23区は東京都になります
Q8 マンション長寿命化促進税制を受けるにあたって必要な証明書はどのようなものが
あるか?
A8
管理計画認定マンションは、次の①~③の証明書が必要です。
助言又は指導を受けたマンションは、①・②・④の証明書が必要です。
①大規模の修繕等証明書
②過去工事証明書
③修繕積立金引上証明書
④助言・指導内容実施等証明
証明書のひな型は、国土交通省のホームぺージで公表しています。
住宅:マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置) - 国土交通省 (mlit.go.jp)
Q9 マンション長寿命化促進税制を受けるにあたって必要な証明書の発行者は誰か?
A9
①大規模の修繕等証明書
発行者:登録を受けた建築士事務所に属する建築士又は住宅瑕疵担保責任法人
②過去工事証明書
発行者:マンション管理士又は登録を受けた建築士事務所に属する建築士
③修繕積立金引上証明書
発行者:マンション管理士又は登録を受けた建築士事務所に属する建築士
④助言・指導内容実施等証明
発行者:助言又は指導を行った都道府県等




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